【大学受験】高3生の学習スケジュール – 数学編

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前回から、高3生の受験の年間スケジュールを科目ごとに紹介しています。受験は普段の定期テストとは異なり、範囲が絞られている試験ではありません。出題されるのは高校の全範囲で、かつ高い完成度で仕上げて試験に臨まなければなりません。

このようなときはただただがむしゃらに勉強するだけでは、良い結果は望めません。しっかりと計画を立て、随時自身の状況を分析しながら戦略的に学習に取り組む必要があります。

今回はその学習計画に関して、数学について述べていきます。

春期(4〜6月)

基礎の総復習

学校によって、高3でまだ数IIIを取り組んでいるところもあれば、すでにすべての単元が終了している学校もあると思います。どちらであっても、まずは基礎の総復習を行いましょう。

ポイントは簡単だからと飛ばすのでははく、簡単だと思っている問題でも全て解き切ることです。一見簡単と思えても実際に手を動かしていると途中で詰まってしまってり、案外、抜けや漏れが見つかるものです。面倒に思われるかもしれませんがこれが重要です。

教材は自身が春から夏の序盤までにとき切れるように工夫をしましょう。チャート式(青)などは問題が網羅されていて選ばれやすい問題集ですが、問題数が膨大なので解ききれないと思う場合は例題だけを解いていくようにしましょう。4STEPを使う場合はまずは章末問題だけを解き切るようにしてみましょう。とにかく、全単元の基本問題を網羅することが大事です。すべてをやりきった上で時間が余ったのであれば、チャート式なら章末問題にも取り組めば良いと思います。

一番良くないのは、基本問題・応用問題・章末問題と各単元で丁寧に全問題を解き、春を終わって結局、数IIまでしか進んでいないという事態です。そうならないために、まずは基本問題をIA・IIB・IIIと回し、次に応用問題を同じく回し、更に余裕があれば章末問題へと、何周かに分けて取り組むのが良いでしょう。

夏期(7月〜9月)

基礎の継続と応用問題演習

数学の仕上げ方は理系か文系か、志望学部、志望校の難易度、傾向によって異なります。私立の文系(経済学部など)であれば、春期で述べたような内容をこなせればある程度得点できるようになると思いますので、それを夏期まで引き伸ばして考えればよいでしょう。理系でも偏差値50台の大学であれば、基本的には青チャートを章末問題まで、解ききれれば十分な学力をつけることができます。焦って難しい問題集に手を伸ばすのではなく、まずはしっかりと基本も問題集を徹底的にやり込むことを考えてください。

理系で旧帝大を始めとする難関国公立大を目指す方は、春期から取り組んでる基本の問題集だけでは心もとないところです。7月または8月初旬には基礎の問題集を終え、より実戦的な問題に取り組みましょう。そして、ワンランク難易度が上の問題集に取り組めると良いです。「良問のプラチカIII」や「やさしい理系数学」(全くやさしくありません)といった問題集を使うか、予備校や学校の夏期講習で難しめのまとまった教材が配られるのでしたらそれに注力するのも良いかと思います。秋以降は過去問をバリバリ解いていくので、あまり手を広げすぎないことが大事です。あれもこれもと薄く広くやるよりかは一つの参考書を全問とききれるようになるまできっちりと仕上げましょう。

秋期(10月〜12月)

過去問研究

ここまで、基礎問題集と応用問題集をしっかりとこなせていれば、過去問を解いてみてもかなり解答できるようになっていると思います。

ここからは志望校の過去問研究にビシバシ取り組んでください。年度は多少古くても多ければ多いほどよいです。現在の指導要領と異なる範囲の問題は解く必要はありませんが、数学の指導範囲はそれほど大きく変わりませんので、十分に解ける問題があると思います。今は、メルカリなどのフリマアプリで古い赤本などが入手しやすくなっていますので、集められるだけ集め、とにかく解きまくりましょう。(多い人は30年分以上の過去問を解きます)

たまに、過去問をやっても同じ問題なんて出ないから意味がないなんて言う人がいます。はっきり言いますが、同じ問題が出ます。出ないと思えるのはやってきた問題数が少ないからです。大学の入試問題、特に数学の入試問題は正直かなりネタ切れ近いです。作問者は古い入試問題を漁ってアレンジして出題していることが多いです。さすがに全く同じ問題は出題されませんが、解答のエッセンスが同一の問題は何度も繰り返し出題されています。30年分も解けば、入試当日はかなり既視感のある問題に出会えることでしょう。

過去問を解くあたって、注意すべきことは答案作成を意識することです。志望校の解答方法が記号式であったり、数字を埋めるだけであれば、それほど気にする必要はありませんが、国公立にあるような長い記述式の場合、自身の答案が論理の通ったものになっているのかしっかりと確かめながら練習しましょう。記述式の目的は論理的な方法で答えに行き着いたかを調べることです。ですので、たとえ答えが合っていたとしても答案の論理に欠陥がある場合、減点をもらうのみならず、0点の可能性もあります。たまに、入試を終えて、自信満々の学生が不合格となっていることがありますが、それは多くの場合、論理的欠陥が多い答案を出していることが原因です。

答案の論理的欠陥は自分では気づけません。必ず、学校や塾の先生に添削をしてもらうようにしましょう。

直前・入試期(1月〜3月)

答案力の強化

直前期も秋期に引き続き過去問です。しかしここまで来たら、兎にも角にも答案力の強化です。すでに解いた問題でも良いので、過去問を解き、本番のように答案を清書してください。そして必ず、先生に添削してもらいましょう。そして、点数の落とさない、高得点の答案はどう作るのかを徹底的に極めてください。

ここを怠るとたとえ数学のセンスが高い生徒でも高得点を取ることはできません。答えが出せるのに得点が伸びないということになります。きっちりと最後の詰めを行いましょう。

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