偏差値だけで選んではいけない!
中学受験の志望校選びで最もやってはいけないことは偏差値で志望校を選んでしまうことです。
確かにより難易度の高い中学・高校の方が、大学進学実績も高い傾向にあるのは事実です。しかしながら、各中学・高校それぞれには個性があり、その個性がお子さんとピッタリ合っているかどうかの方がより重要と言えます。
今回はどんな視点で中学受験の志望校を選ぶべきか、検討していきましょう。
志望校を決めるポイント
通学時間
まず、単純ですが重要なポイントは学校までの通学時間です。ご家庭の中には、合格できたら引っ越しを考えられているところも多いと思います。その場合は余り、検討材料になりませんが、その予定がないのであれば、これは最初に来るポイントだと思います。
どんなに良い学校に通ったとしても、例えば2時間以上かけて通学するのは好ましくありません。学校では多かれ少なかれ宿題が課されます。通学時間に多くの時間を取られてしまうと、その宿題の時間を確保できないのはもちろんのこと、部活やその他の課外活動、趣味や友人との時間もなくなってしまいます。中学・高校時代は体と心が大きく成長する時期でもありますので、その学校における生活全体を想像して、現実的な選択をすべきです。
共学・男子校・女子校
男女共学かどうかもも、重要なポイントとなるでしょう。近年は共学の人気が高まってきていますが、男子校・女子校にもメリットがたくさんあります。
まず、こうした男女別の学校では個性的な生徒が多い印象です。部活や科学オリンピック、中にはクイズなど一つのことに熱中する生徒がたくさんいます。そして、そうした個性を受け入れ認めてくれる空気感があります。
一方で、大学入学時にはそうしたいわゆる一般とは異なる感性を持っていることで、最初は周りと馴染めず苦労する人もいます。
何れにせよ、人により向き不向があると思います。お子さんの性格と希望を見極めて、選択すべきでしょう。
校風とお子さんの相性
学校にはそれぞれ設立の理念や歴史、教育方針などが異なります。またそれにより、学校のブランドやイメージが形作られます。当然、入学を希望する生徒もそうした学校のイメージをとらえ、志望校を選択するので、生徒の質もその学校に合わせて変わります。
中学・高校でよい人間関係を築き、良い学校生活を送るためには、やはり自分にあった学校を選択するのが一番です。
また、特に学業の方針に関しては各学校によって相当差があります。例えば奈良の西大和中・高は近年大学合格実績をメキメキと伸ばし、関西のトップ校の中に数えられ始めていますが、この学校は学習に関しては非常に厳しいことで有名です。日々の拘束時間は長く、夏休みも他の学校に比べ補習などで埋まり、非常に少ない日数になります。
一方で同様に奈良にある関西のトップ校のひとつの東大寺学園は、自由な校風で、部活が盛んであり、学業はある程度生徒に任されています。
どちらが良いということではなく、お子さんの個性に合った学校を選びましょう。
難易度・卒業生の進路
はじめに、学校の偏差値だけで選んではいけないと言いましたが、難易度(偏差値)も確かに重要です。同時にその学校の卒業生の進路も確認しておくと良いでしょう。学校によって、進路に隔たりがあることが多いです。
例えば、灘などのトップ校では京大、東大受験者が多いと同時に医学部への進学者も大勢います。一方で、トップ校でも医学部進学者がほとんどいない学校もいます。
学校によっては、受験校が学校の方針に引っ張られてしまう場合があります。中には京大合格者数を伸ばすために、希望の学部があったとしても、京大を受験させるために、平気で受かりやすい学部へ志望変更させるところもあります。
そういった学校には注意しておくべきでしょう。(もとから、なんとしても高い偏差値の大学に行きたいという希望があればよいですが、、、)そのような受験方針はあまり、おすすめできません。