大学受験において、(トップの有名進学校は別として)塾や予備校へ通うことは今や必須と言えます。一昔前までの受験環境ではまだ学校だけで受験し合格する生徒も多くいましたが、現在は非常に難しくなってきてます。
近年ますます、大学への進学率が高まるなかで受験勉強が高度にシステム化されてきており、塾・予備校では各大学の傾向や対策など過去問が徹底的に分析されています。大学に行けたらどこでも良いという方は別として、難関校を目指す学生はほとんどの学生が塾・予備校に通いそれをもとにした対策を行っています。情報にうまくアクセスできないと、周りがそのように学習しているだけに、入試が不利になってしまいます。
とはいえ、費用面や生活環境によって、塾・予備校に通えない生徒もいると思います。今回はそんな方向けに塾・予備校なしで大学受験に挑むポイントを紹介していきたいと思います。
塾・予備校なしは不利である
まず、塾・予備校なしの大学受験は難関校を目指すライバルたちがほとんど使っているだけに不利になると考えておきましょう。そもそも学力を上げるためには学習時間と学習効率が重要です。
学力上昇 = 時間 × 効率
塾・予備校に通えば、(実力のないところを除いて)効率的な学習の方法を教えてくれるわけですから、効率面では塾・予備校勢に叶わないので、その点で必ず不利になってしまします。
十分な学習時間を確保する
塾・予備校なしで志望大学に合格したいなら、十分に学習時間をとることが先決です。それは、1日の学習時間を長くとるといったことだけでなく、もともと勉強自体を早くから高い意識で取り組んでいる必要があります。高校1年、と2年の前半をその他の生徒と同じように過ごしていたのでは、いざ受験期に入ってから取り残されてしまうことは明白です。普段から、学校の授業の予習復習や宿題のみならず、参考書の関連問題を解き自習の積み重ねを他人より多く取ってリードしていなくてはいけません。
そして、受験期に差し掛かった段階で、ライバルより大きくリードしていることが重要です。
自分で学習スケジュールを立てる
学習、特に受験においてスケジュール管理は必須です。
受験は入試までに高校の履修範囲を学習し他者と競い合うという、ルールが明確に決まったある種のスポーツのようなものです。
ですので、高校野球の選手が冬場にランニングや筋トレなどの基礎トレーニングをメインに行い、夏の甲子園に向かうに従って練習がより実戦的なものに変わっていくように、受験生にもどの時期に基礎問題を反復練習を行い、応用問題に取り組み、過去問を始めるかといった戦略が当然必要です。
そうした戦略がない場合、基礎力が不十分なまま過去問をいくら解いてみても、学習が上滑りしてしまいます。つまり、難問の答えを見て納得できたとしても、基礎がないので、類題に全く対応できなくなってしまいます。また、逆に、基礎問題ばかりに取り組んでいると、入試に間に合わなくなってしまいます。
よって、入試までの大まかなスケジュールを作っておくが大事です。いつまでに何の問題集を仕上げるか、英単語帳を何周するか、しっかりと計測できる量として目標を決め、学習を進めましょう。
また、自分で立てたスケジュールがしっかり現実的なものになっているのか、一度は学校の先生など分かる人に見てもらって確かめておきましょう。
わからない問題を質問できる相手を見つける
いくら塾・予備校に行かないとしても、問題演習や過去問を解いていてわからなかった問題を質問できる環境が全くなければ、そのままでは絶対に合格できません。必ず、頼れる場所を見つけておいてください。学校の先生やすでに大学に通っている先輩などに頼って、疑問を解消できる手段があることは絶対条件です。
厚かましいくらいの積極性を持つ
疑問点の解消がもっとも重要で、その他の懸念点は無視すべきです。
「先生は今忙しそうだな」とか、「あんまり先輩に頼りすぎると鬱陶しがられるかも」など控えめになりすぎては自分の勉強がはかどりません。ただでさえ、塾・予備校に言っていないだけで、不利になっているのですから、なりふり構っていてはいけません。特に学校の先生に対してはとことんわかるまで、叱られてもつきまといましょう。近年、学校の先生の労働環境が厳しいといわれることも多くなりましたが、とはいえ先生は教えることが仕事ですので、なんだかんだで教えてくれると思います。それにそんなに熱心に質問に来てくれるというのは嬉しくもあるので、邪険にはできないはずです。
誰に教わるにしても、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。誰かに協力することは気持ちの良いものですので、丁寧にお願いし、「ありがとう」を表現できていれば、協力してくれる人も増えるでしょう。
最後に
どれだけ優秀な人であっても、通えるならば(相性はありますが)塾に通わないことは、受験では不利になります。塾に通わない場、通った場合と比べて志望校に合格できる確率は半減するくらいに思っておくべきです。
塾・予備校に通う余裕があるのならば、わざわざリスクを犯すよりは素直に塾に通うべきです。
より神経を使うべきなのは、その塾・予備校が本当に生徒にあっているかどうかということです。
合わない塾に通うことで、効果が発揮できないことは十分に考えられます。その場合は塾をやめるというよりはより相性の良い別の塾を探す方が良いと思われます。