塾や予備校に通うことを考えた場合、まず授業スタイルとして集団授業と個別指導(1対1)という違いがあります。それぞれどんな違いが合ってどんなところに特徴があるのか、気になるのではないでしょうか。
結論として、私は予算に余裕があるならば基本個別指導のほうが良いと考えています。しかしながら、お子様性格や特徴によっては集団授業に向いている場合もあります。今回は集団授業と個別指導の特徴について、テーマごとに詳しく見ていきましょう。
授業のレベル・カリキュラム
集団授業
集団授業では1年間綿密に組まれたカリキュラムのもと、授業が進行します。授業進度についてはクラスの目標(難関中学受験・関関同立文系学部受験など)に沿って進むので、ペースメイクは非常に優れています。
授業のレベルはクラスにより別れていることが多く、生徒全員の実力の平均より少し上くらいのところに難易度を設定し、進行していくことが多いです。エリート塾などはまれに、生徒がついてきていないにもかかわらず、高いレベルの授業を無理に通している場合があります。
個別指導
1対1ですので、カリキュラム、レベルともに生徒に合わせて行われます。非常に効率的である一方、授業進度やレベルも生徒に引っ張られるので、全体のスケジュール管理や力不足の生徒に対するフォローなど講師の力量が必要です。
ただし、生徒が理解しなければ次へ行かないといったように、確実に一つひとつ積み上げる学習ができるので、集団授業で起こり得るような「授業についていけない」ということは原理的に起こりません。
フォロー体制
集団授業
塾のフォロー体制は各塾にシステムによります。待機講師に質問できる塾もあれば、チューター制度を導入しているところもあります。そういったフォロー体制がないところもありますが、授業の前や後に講師に質問することはできます。
どんなシステムにせよ、積極性が必要です。自分から疑問点をまとめ、講師と関わりを持たなければいけません。控えめでなかなか自分から話しにいけない生徒は少し苦労するかもしれません。
個別指導
個別指導ではそもそも、授業が1対1ですので、質問等は授業の際にできます。学習内容も塾で扱っている内容に限らず、学校の授業内容やその他参考書の中の問題など、だいたいなんでも対応してくれます。講師もわからない点がないか常に気にしながら授業を進めるので、あまり自分から動くことが得意でない生徒も高い効果を上げられます。
その他、授業外でも塾によって集団塾と同様に待機講師への質問ができたりやチューター制度があったりします。
スケジュールの自由度
集団授業
集団授業ではスケジュールは塾が優先です。部活動やその他の習い事は、塾の授業日程を避けて決めなければいけません。授業はよどみなく進んでいきますので、一度休んでしまうとその部分の授業がまるまる抜け落ちてしまいます。フォローのために映像で補填できる場合もありますが、集団塾に通う以上なるべく休まないほうが良いでしょう。
個別指導
講師のスケジュールさえ合えば、日程を調整することができます。やりたい部活がある場合は部活の日程が決まってから、空いている日程に授業を設定するなど、ある程度の自由度を持てます。また、急な用事で授業をキャンセルしてしまう場合も、振替授業を設定できたり、最悪1週授業が飛んでしまっても進度は遅れることになりますが、カリキュラムとして学習内容に穴が空くことはありません。講師が先の授業進度を調整して対応していくことになります。
競争心
集団授業
集団授業の塾では日々の小テストや定期的な塾内模試などがあったり、クラス内で互いに切磋琢磨し合える制度があります。競争心の高い負けず嫌いな生徒は席次が上がるよう努力するのでメリットが大きく、成績向上が期待できます。
個別指導
個別指導では、クラスメイトはいませんので、競争環境という点では集団授業にかないません。そういった面は、学校のテストや外部模試の受験などで補っていくことになります。
費用
費用は通常、集団授業の方が個別指導より安く抑えることができます。経済的な問題は無視できませんが、費用が安いことだけを理由に塾選びをすることはおすすめしません。結局のところ効果が上がらなければお金を払っている意味がありません。
実際に面談を行い、体験授業をして、しっかりと学習できるイメージを立てから、入塾するようにしましょう。