医学部予備校の年間料金ですが、やはり一般の大手予備校と比べてかなり高額なものになっているというのが本当のところです。
ざっくり言って駿台や河合塾といった大手予備校が年間コミコミで100万円~200万円というところですが、医学部専門予備校の場合は結局年間1000万円程度、外車1台分はかかるとみておいていただきたいと思います。
見かけの料金と実際の費用はぜんぜん違う
これは、各予備校に記載されている金額とかなり異なると思われるかもしれません。でもこれが現実です。2か月ほど前でしょうか、ある生徒さんが入塾試験を受けたいといってやって来られたのですが、見事なくらいの白紙状態。でヒアリングすると、実はCMも出している大手の医学部予備校に通って年間1000万も使って授業をとった結果、国公立医学部も大丈夫と太鼓判を押されていたのに、国公立どころか私立医学部もどこも引っかからない、これはおかしい、とのことでした。
本人の学力についてはなんとも言えませんが(おそらく良い“お客さん”にされたのかなとか思います。かなり悪質)、この予備校の料金はどこにもそんなに高額には書いてありません。
料金を安く見せる仕掛け
なぜこうなったのか、実はこれにはカラクリがあります。
まず気づくのは、集団指導塾は比較的安価で、個別指導塾の場合は比較的高価か、もしくは一回あたりの料金しか書いてない場合が多いということです。これだけを見ると、集団指導塾のほうがお得感があります。ただ、それをうのみにしていると、こんなはずでは…の世界がやってきます。これは以下の理由からです。
- 特に集団指導塾の場合、授業料は正規授業の料金のみの記載が多く、夏期・冬期。直前期といった季節講習の料金は別料金になっていること。
- 集団指導塾の場合、そのほとんどのケースで個別授業が強くあっせんされるため、何教科も個別授業を受けることになる結果、別途発生する個別授業料がかなり高額になること
- また、授業の中に「演習授業」や「復習テスト」の時間が含まれている割合が高いことが多く、講師による授業時間が実際はかなり少なく圧縮されている
結局1年トータルで見ると、どの医学部予備校も総額はさほど変わらないようになっています。先の生徒さんもこういうわけで当初予定より学費が膨れ上がったものと思われます。
その方のご家庭は「これだけ払ってこの始末か!」とかなりご立腹でしたが、逆に言えばそれだけの料金は発生してしまうので、何をおいてもしっかりと実力をつけて浪人を重ねないこと、そのためには、自分の合格にはどの予備校がベストなのか真剣に考え、選択することが必要です。
体験授業、予備校の雰囲気、信頼できる情報等を総合して判断されるほうがいいと思います。
また、当たり前のことですが、「うちに来れば大丈夫」とか「これは優秀、見込みは十分あります」とか甘い言葉を言ってくる予備校には注意してください。医学部入試はそんなに甘くありませんので。